龍・背中一面
お客様の要望で腰下は浅目に。
鯉・刺青・和彫り
外国のお客様、しかも学校の英語の先生をされている方なので
ひかえ(胸)は無し・丈は短めです。
日本では人目を気にしなければいけないタトゥー・刺青、特に「和彫り」ですが、
母国イギリスでは大人気で、一時帰国まで完成させたいと一生懸命通ってくれました。
キリンビールのマークでおなじみの麒麟は、
中国神話の伝説上の動物で鳥類の長である鳳凰と並んで、獣類の長とされています。
形は鹿、顔は龍、牛の尾と馬の蹄をもち、雄は頭に角をもつとも言われています。
(角は、一本が多いですが、二本や無しの場合もあります)
普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌い
1000年を生き、その鳴声は音階に一致し、歩いた跡は正確な円になり、曲がる時は直角に曲がるといわれています。
「唐獅子牡丹」は百獣の王である獅子と、百花の王である牡丹を組み合わせで、
「倶利伽羅」と並んで刺青の代名詞。
「牡丹に唐獅子」
百獣の王と言われる獅子ですが、ただ一つだけ恐れるものがあります。それは獅子身中の虫です。獅子の体毛の中に発生し増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく害虫です。しかし、この害虫は、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜に、牡丹の花の下で休みます。獅子にとっての安住の地が、そこに在ります。
背中一面の武蔵坊弁慶・立ち往生です。
誰もが知っている人物なので説明するまでもありませんが、
刺青のデザインとしては幼少期の「鬼若丸鯉退治」がポピュラーかもしれません。
ただやはり幼少期の強力無双伝説より、
「勧進帳」「立往生」などの義経への忠誠心こそが弁慶の魅力の真骨頂かと思います。